以前「チケットが取れなくて泣いた」と書いた歌舞伎 in London・・・なんと、見てくる事ができました!またまたAさんに誘って頂きました。行けなくなってしまったというAさんのお友達は残念でしたが、本当に有り難かった〜(涙、涙)。
さて、感想です。(これから見る人は読まないでね。)
不思議な歌舞伎を見たという感じでした(いい意味で)。シアターは意外にもイギリス人が多く、完全にアウェー雰囲気。
最初、桜をバックに3人の子供がチェンバロ伴奏で歌を歌い、大篠大臣(元キャラ:Orsino)が切々と織笛姫(Olivia)への想いを語る、というシーンでは、妙な違和感満載でクスクス笑いの起こる状況に一体どうなってしまうのか!とヒヤヒヤしましたが、さすがは歌舞伎役者!徐々にお客さんを引き込んでいき、歌舞伎らしい空気が出てきました。
それにしても〜。菊之助が主役の琵琶姫(Viola)と双子のお兄さん斯波主膳之助(Sebastian)の2役を務めたのですが。序盤のシーンのすごい早変わりを一体何人のイギリス人が理解したか。一瞬でお姫様になって出てくる菊之助、しかし拍手は起こらず・・・。なんか悔しい。いや、でも彼の早変わりはすごかった。
十二夜というのはコメディなんですかね。原作をよく知らないんですけど、物語が進むに連れて、劇場もかなり笑いに包まれていきました。特に良かったのが、麻阿(Maria)役の亀治郎さん。普段全然女形のイメージ無いのに、なんか色っぽいんだよなぁ。そしてまたコミカルな役どころで、しっかり魅せていました。
会場のお客さんの反応がいい感じだったので、評判いいのかな〜と思ってネットでレビューを探してみると。意外に辛口評価が多い。「なんで〜???」と思って読んでみたら、どうやら「こんなのシェークスピアじゃない。」という。とある記事は、最初の合唱のシーンはわくわくしたのに(マジで?)、後半(歌舞伎らしい演出になってきたあたり)は全然話にのめり込めず、がっかりした、と書いてあった。どうやら、彼らにとって重要なのは「シェークスピアらしさ」であって、「歌舞伎らしさ」はあまり受け入れられてなかったようでした。私は「シェークスピアの話を元にした歌舞伎」を見に行ったんだけど彼らに取って「歌舞伎役者を使ったシェークスピア」なんですね。・・・まぁすぐにイギリス人にわかってもらうのは無理か。いや、でも会場は湧いてましたけど。
でも歌舞伎って、本当に会場の雰囲気が重要なんだな〜とも思いました。大向から声がかからないのは、やっぱり寂しいな、と。
何はともあれ、久しぶりの歌舞伎、私はとても楽しみました!Aさん、またまたありがとうございました!