明日の記憶

「俺が俺じゃなくなっても平気なのか?」 このセリフをHPで見て、見てみたいと思ったこの作品。がっつり泣いてきました。 自分が自分である事を証明してくれるものってなんでしょう?記憶?だとしたら、記憶がなくなっちゃったら、自分はもう自分じゃない?逆に記憶だけでも生き残る事ができたら、自分として生き続けられる? 広告代理店で仕事に明け暮れる忙しい日々から、若年性アルツハイマーと宣告され、苦しみ、頑張って生きようとしながらだんだんと記憶を失っていく主人公を渡辺謙さんがすごくリアルに演じてます。「覚えていられない」って怖いよね。日常の、ほんの些細な事でも私たちは記憶に頼って生きているわけで。仕事でミスが増えていく、それだけだって精神的にはダメージなのに、今まで普通にできていた日常の事すらできなくなってくる。その怖さと、家族に迷惑になっているんじゃないかっていう自責の思いが痛いくらい伝わってきます。 その夫を支える妻役・樋口可南子さん。見ている方だって辛い。いつかは自分の事すらわからなくなってしまうのだから。それでも笑って、励まして、泣くときは隠れて泣いて、働き口を探して・・・。アンタ、強いよ!すごい!こんな強い人間になりたい。 とにかく人生って辛いのね。でも人の優しさってたくさんあるのね。なんか毎日辛いけど、明日も頑張ろう。そんな気にさせてくれる映画です。オススメ。

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