2024→2025(お気楽Ver.)

壁に飾られたゲーム”Mother2”のキャラクターのぬいぐるみと「ほぼ日曜日」という文字

(上の写真:2024年に渋谷パルコで開催されていたMotherのひみつ。展の入り口。)

さて、こちらはお気楽な2024年の振り返りポストです。なぜもう7月も終わるのに!?と思った方、それを説明した記事はこちらにあります(重めの独り言ですので注意)。


Decolonization of Designその後

一昨年のSpectrum Tokyoでお話しした”Decolonization of Design”(デザインの脱植民地化)について、引き続き考えを深めています。今のところ気になっているのは3つの点。

1. 二項対立から抜けたい

登壇では「脱植民地化という話題自体が欧米中心の文脈で語られがち」という話をしました。どうしても「黒人か白人か」「ネイティブか入植者か」などの二項対立の前提があり、自分がどちら側か悩んでしまう。この欧米的な二項対立・機械論的ではない脱植民地化はできないのか?という観点から「複雑さ」「ニュアンス」「Intersectionality」「システム思考」「Emergent」などのキーワードに注目しています。

これは今年の話になってしまうけど、5月の始めに行ったフィラデルフィアで行われたIACでも、まさにこのテーマの登壇を聞くことができたので、そのまとめはまた今度。

2. 測り方を変えたい

重い方の記事で「途絶えてしまった」と書いた「社会変化のためのデザイン」「環境のためのデザイン」。周りがどうかに関わらず、自分ができることを模索しています。気にしているのが成果の測り方。ドナルド・ノーマンが最新著書”Design for a better world”で説くように、GDPなどの指標では本当に大切な価値を測れていません。

私たちの毎日の仕事も同じで、ソフトウェアをデザインするとき、必ず下支えになる価値観があり、それは意識的に無意識的に埋め込まれています。作る現場ではほとんど意識することもないその価値観を認識し、どんなインパクトを起こしたいのか話し合い、どうやって測るのか。今までのやり方とは違う手法が求められているのだと思います。

3. 家父長制が多元になってもしょうがない

エスコバルの「多元世界に向けたデザイン」は重要な書籍ですが、若干気になることがあります。西洋中心の一つのモデルを世界に当てはめるのではなく、それぞれの地域・文化の特徴を活かしながら分散自立した多元的な社会を作っていこう…という方向性は納得できます。が、こういった話ってどうしても「地域らしさ」「その国の文化らしさ」「地域のコミュニティ」「西洋文化が入ってくる前の伝統」とか、保守主義的な反グローバリズム論に簡単に陥りそうな気もするのです。

正直「地域のコミュニティ」と聞いて私が思い浮かべるのは、人が集まる中で甲斐甲斐しく働く女性たち…その向こうで酒盛りをしている地域の長たち(笑)みたいな絵。結局多元的になったその各社会で台頭しているのが二項対立や家父長制だったら、戦前へ逆戻りするだけなのではないか…というのがとても心配です。できれば時代を前に進める多元社会、というのを模索したいです。


2024年も色々なところにお邪魔しました!

去年も色々なところに読んでいただいてありがたい限りでした!

5月はIAカンファレンスの報告会報告会に始まり…

Featured Projectsではパネルディスカッションの形で、デザイン批評についてお話し、他の登壇者さんからたくさん刺激をもらい…。

【クリエイティビティに繋がる批評、してますか?】お知らせ続きになってしまいますが、今週の日曜日、Featured Projectsというイベントのミートアップセッションでお話しさせていただきます!内容は、デザイン批評について。 fp2024meetup02.peatix.com

Mayu Nakamura (@mayunak.com) 2024-05-22T14:20:47.844Z

6月は、UXのパイオニア、Peter MerholzさんがいらっしゃったSpectrum Tokyoの寿司の会(?)で質問要員として参加し…

12月は初!HCD-netフォーラムに読んでいただき、ペルソナとインクルージョンについてお話しました。

そして一年の締めくくりはやはりSpectrum Tokyoの忘年会?で、Decolonizing Designのその後について少しだけ。

特にFeatured Projectsでは新しいご縁をいただきまして、最近一緒に登壇した方々と新しいことを始めたので…それについても近々書こうと思います。


よかったこと、新しくうちにきたもの

念願の…

ずっと欲しかった可動デスクを買いました!Flexispot!これ最高!座りっぱなしだと腰が悪くなってしまうので、定期的に立ったり座ったり。ランチ後のミーティングで眠くなった時にも効果的です笑。Flexispotはメモリしておいてワンタッチで心地よい高さにできるのも良いです。

野菜作り始めたよー

ずっと気になっていたシェア畑を始めてみました!農家の方々の大変さも身に染みて実感しつつ、楽しく野菜作っています。

道具など全て貸し出してくれるので手ぶらで行けるのも良いですし、スタッフの方が皆さん熱心に教えてくださるのも良いポイント。もともと植物を育てるのは好きなのですが、ここまで大きなものを育てるのは初めてで、みっちりと葉の詰まったキャベツが採れた時は感動!しかもやっぱり採れたては美味しいです。ほんと、比べ物にならんです。

…でも夏は本当に熱中症で死にます。

今年見た展覧会で良かったもの!

2月はローランサン@アーティゾン美術館

ずっと見たかったローランサン、ようやく行けた@アーティゾン美術館。何に惹かれるんだろうなーとずっと考えてたけど、色かなやっぱり…。キュビズムだったのは知らなかった。 カフェのコラボメニューもアートだった。Venison、久しぶりに食べたー美味。

Mayu Nakamura (@mayunak.com) 2024-02-11T07:32:51.894Z
5月 Modern Times in Paris 2025 @ポーラ美術館

ポーラ美術館の「モダン・タイムス・イン・パリ 1925」を見てきました。アール・デコやバウハウスなど、アートが製造業に融合しながら、現代まで続く近代デザインの流れを作っていく時期。ここ数年注目している「デザインの脱植民地化」に関連して、日本がどう影響されたのか見たかった。雨だしせっかく箱根まで行ったのに日帰りだったけど、行ってよかったです。 www.polamuseum.or.jp/exhibition/2…

Mayu Nakamura (@mayunak.com) 2024-05-03T02:08:12.583Z
8月、弾丸で日帰り岐阜まで行ったリサ・ラーソン展@岐阜県現代陶芸美術館

気を取り直して、今日は弾丸で岐阜まで行ってきたんだった!東京開催を逃したリサ・ラーソン展。 ライオンとか猫とか有名なモデルの初期バージョン?が見られたの感動したし、今まで見た事なかった想像上の動物も可愛すぎた!ガラス作品もあるの知らなかった。レプリカでいいから作ってくれないかなー。

Mayu Nakamura (@mayunak.com) 2024-07-14T12:27:31.108Z
同じく8月、ヨシタケシンスケ展@横浜そごう美術館

ヨシタケシンスケ展行ってきた。いや家族連れの多かったことよ…。でも甥っ子たちも楽しめるアート展なんてなかなか無いのでヨシ。 ちなみに今までの中で一番心躍った図録だった。アイデアの宝庫だなヨシタケシンスケさん…。

Mayu Nakamura (@mayunak.com) 2024-08-25T10:33:56.223Z
9月駆け込みでMotherのひみつ。展@渋谷パルコ

子供のころ大好きだったゲーム、Motherの展覧会!最後の方に駆け込みで行ったので、ものすごく混んでいて大変だったのですが、あの世界観がどう作られたのかを見るのがとても良かったです。

年末は中村屋の鷺娘!@歌舞伎座

歌舞伎フィードは朧の森、あらしのよるに、天守物語で盛り上がってる感じですが、第二部見てきたよ! お目当ては七之助の鷺娘、この世のものとは思えない美しさだった。CGとかのテクノロジーじゃ絶対出せない視覚の美。異空間に連れて行かれました。(語彙力無くて表現できない。)

Mayu Nakamura (@mayunak.com) 2024-12-23T08:55:34.261Z

他にもTokyo Gendai、横浜トリエンナーレ、Kagaya展、大恐竜展、納涼歌舞伎など、色々見に行ったので、だいぶ一年通して楽しんだ感です…。そう考えると、今年はまだあまり展覧会見てないなー。インスピレーション補充しなくては…。

初アメリカ!

実はこれまでアメリカ本土に行ったことがなかったのですが、初上陸!4月にIAカンファレンスに参加するためにシアトルに行ってきました。ヨーロッパでUX系のイベントには色々参加していたのですが、IAのイベントは初。Ontologyについて学び、またAI時代に向けての情報デザインという観点でたくさんのインスピレーションを得てきました。

初アメリカの感想は「ヨーロッパと比べてホテルの設備がしっかりしている」「日本がアメリカから色々影響力を受けているのがわかる」「色々高いわ!」「夜はやばい、ゾンビみたいな人が歩いている…」という感じ。

ヨーロッパとも雰囲気が違って興味深かったです。

虎に翼

もう一つの記事でも触れましたが、一年の中盤かなりハマったのが朝ドラの「虎に翼」。もともと朝ドラは見ない人間なのですが、主演の伊藤沙織さんのファンなので気まぐれに見てみました。正直、法律というのも全く興味がない分野(ルールとか嫌い)だったのですが、これがとてつもなく面白かった!法律って解釈するものというのが新たな視点だったり、ルールも人が作ったもので、時間をかけてアップデートされてきている事が新たな気づきでした。

何より人権だったり、マジョリティではない人たちの苦悩だったり、それでも人は法の基に平等である、という憲法の条文に絡めて社会での実践の様子がお話として展開する構成はほんと秀逸だなぁと思いました。希望を持てた。

だからこそ、年末から現在にかけて起こった事がさらに苦しく感じられるのでもありますが‥。


幸い、2024年(と2025年の半年間)も猫たちともども無事に過ごせたので、2025年も(あと半年)頑張っていきたいと思います!