2025年八月納涼歌舞伎

歌舞伎座の正面入り口

気づいたらもう10月になってしまって怖い…のだけれど、先月行った歌舞伎の公演についてメモメモ。歌舞伎について日記を書くのは久しぶり。

元々は、第三部の研辰優先で、もし余裕があったら幕見で猩々と、2回だけ行くつもりだった…のだが、ちょうど「歌舞伎に行ってみたい!」という友人と話をして、結局第一部をフルでみることに。さらに母親に話をしたら、母親も勘九郎の踊りを見たいと言うので、結局追加で人生初の幕見席。1ヶ月に3回も歌舞伎座に行ってしまった。

みんな、中村勘九郎の踊りを一度はみてほしい

まずは第一部の「猩々」、これはもう中村勘九郎の踊りを堪能する幕だった。一緒に踊っていたのは松本幸四郎。もちろん幸四郎さんも大好きな役者さんではあるのだけれど、踊りに関してはやはりもうずっと勘九郎の方に魅入ってしまう。全く同じ格好をしているので、途中でどっちかわからなくなるかも…と思っていたけれど、全然わかっちゃうのですよ。もう一目で違いがわかる。

納涼歌舞伎、まずは一部行ってきました!男達ばやり 、全く事前情報がなかったのでどうかなーと思ってたけど、歌舞伎らしい演目だったかな?「なんじゃそりゃー!」みたいな展開で笑。個人的には米吉さんの嫌な女っぷりが良かったです(褒めてるよ)。そして幸四郎&勘九郎の踊り!やっぱり中村屋好きすぎて、ずっと勘九郎ばっかり見てしまった…。いや、幸四郎さんも好きな役者さんなのですよ。でも踊りになるとやっぱり勘九郎のしなやかさ、力強さ、メリハリのつけ方とか、ほんと見惚れてしまう…。特に猩々とかの人じゃないものを踊らせたら抜きん出てると思う(褒めてるよ)。次は月末の研辰!楽しみすぎる…。#note

Mayu Nakamura (@mayunak.com) 2025-08-15T00:55:01.915Z

実はこれ数日前の話で、今日また幕見で追い猩々・団子売りしてしまったのですよ…。2周目もやっぱりずっと勘九郎を目で追ってしまった。同じ週に2回見てるのに全然楽しめた。帰りに買い物好きの母に付き合ってお土産屋さん見てたら、死ぬほど可愛い猩々の猫イラストポストカード見つけて思わずゲット…。#八月納涼歌舞伎 #中村勘九郎 #noteaiyoshida.blog/wp/2527/

Mayu Nakamura (@mayunak.com) 2025-08-15T08:48:01.882Z

猩々と言うのは、「中国にいる妖精」だそうで、2人でお酒を飲みながら舞い踊り、だんだんと酔っ払って勢いが良くなってくる踊りが、とても小気味良い演目だった。そして友人のツッコミ:「あんな大きな盃、どこ行ったら買えるんだろう…。」

現代のSNSのようでこわい。研辰の討たれ。

後日、3回目(!)に見に行ったのは、第三部、野田版研辰の討たれ。前回見たのは、まだ勘三郎さんが生きていらっしゃった頃。懐かしい。泣ける。

ほぼ全部のキャストが代替わりしていて、新しい演出がもっと出てくるかと思いきや、意外と「型」として残そうとしているのかなという印象。どのシーンも大体記憶にあった通り。

ところどころ挟まれるネタは、「前回こんなんだったっけなー」というものもあったんだけど、なんていうか年齢の高い層から下まで、「いや、ほかの世代には伝わらないよそれは…」というのが入っていた。終始どこかの世代が笑っていた?一つだけ、いやさすがにそれ歌舞伎座でわかる人が何人いるのか…と思ったのが、勘九郎!途中で何気なく踊ってたの、あれHANAのRoseだよね…?

この演目の一番の見どころはやはり、前半のドタバタから一転してしんみりと進む、終盤の研辰の長台詞。ここはもうほんとに勘三郎さんの声を思い出してしまうのだけれど、勘九郎もやっぱり良かった。現代人の感覚からしたら、辰次が正しいよね。武士の誇りとか守って、命かけて、斬り合って、終わってみたらなんかあっけなかったねぇって、切腹するときにやっぱやだーってなった武士だっていそうだし。辰次は確かにイラっとさせられる人間で好きにはなれないが、刀を研ぎながら「生きてぇなぁ…」と呟く姿になんだか切なくなるのです。

死を目の前にしてなかなか踏ん切りがつかない研辰に対して、周りの声が容赦ないんだよなー。不道徳を許さないという正義感を振り翳しながら、実は自分の鬱憤ばらしとかエンターテイメントのノリで一人を追い詰めていく。今はSNSの問題なんかもあるので、無責任で暴力的な群衆の姿にほんと腹がたつわ…。

さてさてこちらは歌舞伎座で食べた納涼弁当。歌舞伎座のお弁当、まぁまぁなお値段するけど美味しいよな。っていうかこういう、味が繊細な和食系のお弁当が美味しいってけっこうすごくない?#青空ごはん部

Mayu Nakamura (@mayunak.com) 2025-08-28T08:48:01.735Z

というわけで、歌舞伎三昧の夏になりました。


ちなみに少し前に朝日新聞に載っていた野田さんの記事、すごくよかった。

「短歌や俳句のように言葉をそぎ落とす文芸は別ですが、普通、何かを伝える文章には、ある程度の長さと、考えるための時間が必要です。思いつきで書く百数十字で何が言えるんだ?と思いますね。オールドメディア対SNSで、SNSが優位みたいな切り口になってるけれど、それも大ざっぱ過ぎる。オールドって言った時点で、そっちがダメって感じになるじゃないですか。フェイク情報や悪意をまき散らす場合、そのSは『social(社会の)』ではなく『stupid(愚かな)』だとはっきり言った方がいい」

フェイク情報や悪意を撒き散らしているのはSocialではなくStupid。まったくだ。