コロナ禍でグチャグチャになった心を整える

2020年、やりたいと思っていて一つ出来なかった事があります。9月にZen2.0というイベントにオンラインで参加したのですが、そこでの学びをまとめてポストするということ。

今までオフラインで参加したものと比べても一番じゃないかってくらい学びが多かったイベントなのですが、何度も書こうとしたんだけど、心に響きすぎててちゃんと言葉にできるスキルがない泣。気がついたら年の暮れ。

もう日も経ちすぎてしまったのでそのポストは諦めることにして、2020年の振り返りをしながらそこでの学びにも触れてみたいと思います。

傷ついた心に気付くこと

Zen2.0で内田 範子さんという方がファシリテートして下さったアクティビティがありました。それは内田さんが質問をしていって、それに当てはまった人は手をあげる、というシンプルなものなのですが、質問の内容が現在の状況がどう自分に影響したのか振り返るようなものでした。そこで気づいたのは、意外と自分の心は傷ついていたんだということ。そして、一見元気に見える他の人たちも同じ経験をしている。

どうしてもこういう状況の中で「医療従事者に比べれば大した事ない」「家族を失ったわけではない」「仕事を失った人に比べれば」とか、考えがちでした。もちろんそれはそうなんだけど、でもやはり今年は異常な世界だったんですよね。小さくても、どんなに小さくても、この状況で失ったものもあるし、傷ついた心もある。ネガティブな感情に囚われてしまう必要はないけれど、少なくともそれを自分で認めてあげて、労ってあげるプロセスは大事なんだなと感じました。

私にとって2020年は、本来であればちょっと大きな節目を迎える年であり、計画をしていた事が色々ありました。自分のステップアップのために重要だったその計画は全て白紙になり、未だに少し、情熱を感じられる次の目標を見失ってしまっている感覚があります。幸い仕事は続けていますが、長い時間かけて準備していた計画も色々ダメになりました。

感情的にもイライラする日が多く、ちょっとした言葉のかけ違いで気まずくなり疎遠になってしまった友達も。心ない言い方をしてしまった事もあったし、心ない言い方をされた時もありました。

そういった感情や反応が、人間として当たり前の事なんだとわかった時少し救われた感じがしました。みんな大なり小なり色々なものを失って、人との関係もギクシャクしたり。でもそれって全部不可抗力で、全部コロナのせいだって思ったら水に流せる気がするのです。

失った隙間に入ってくるもの

何かを失う事は悲しかったり寂しかったりするけど、そこには新しいものが入れるスペースができる。今までの日常が無くなった代わりに、色々新しい事も始めた年でした。

  • 通勤が無くなった→在宅勤務が増えて、飼い猫が幸せそう
  • 通勤時間に本を読む事がなくなった→家事をする時にAudibleで本を聴くようにした
  • ジムに行けなくなった→家でヨガ始めた
  • オフィスに行かなくなった→職場が国(スタジオ)ごとでなく、グローバルの結びつきが強くなった
  • 外にあまり出なくなった→あまり風邪をひかなかった
  • イベントがオンラインになった→移動しなくて済むので、けっこう気軽に参加できる

…どれも小さいことですけど。

コロナが落ち着く頃にはどういう社会になるのかなぁ。今のままだとストレス抜きには外出できないので、そこは元に戻って欲しい。オフィスも週5とは言わなくても、やっぱりもう少しface to faceで仕事もしたい。

デジタル化が加速する事で社会がどう変わっていくのかも、気になっています。移動が少なくなり、人が地元にいる事が多くなった時に、デジタルデバイスがどう人を繋ぎ止められるのか。Zoomのウィンドウは家と世界を繋ぐどこでもドアになるのだろうか。現実での場所の価値ってどうなるんだろう。実際に人が国境をまたがなくなっても、ナショナリズムや戦争に支配されずに平和が保たれるのか。AIがもっとかしこくなったら、人間よりももっと社会の問題にうまく対応できるのだろうか。人間はAIに物事を決めてもらうようになるのだろうか。ユヴァル・ノア・ハラリのHomo Deusにあるように、ヒューマニズムの次の世界がくるのだろうか。今そんなことをぼんやりと考えています。

整える

Zen2.0のイベントでもう一つ心に残っているのが「丁寧な暮らしとは」という問いです。参加者みなさんそれぞれいろいろな答えがあって、面白かったのですが、私の答えは「自分や、身の回りのものを時間をかけて整える」というものです。

整える、って英語でニュアンスまで表現するの難しくて面白い言葉だなと思うのですが、体調を整える。気持ちを整える。部屋を整理整頓する。思考を整理する。などなど。

今までの社会って、ちょっと忙しすぎた気がするのです。一つのことにかけられる時間、一つのものに向けられる心が少なかった。新しい生活で一つもっと心がけていきたい事があるとすれば、一つ一つ丁寧に、時間をかけて、「整える」事かなと思っています。


なんだか文章からもわかるように、正直2020年は色々ありすぎてまだ心も考えも「整って」いません。上にも書いたように、まだ次の自分のステップが何かもしっかり見えていないのですが、まぁそれは年が明けてからゆっくり丁寧に、整理していこうかな。

それではみなさん、良いお年を!