なんだか久しぶりのブログ。最後の投稿はもう一年以上前…。全然書く気が起きなかったその理由はまた別の投稿で。
ここ数年、着物にハマっている。前にハマっていたのは社会人になったばかりの頃。海外で着たくて着付けを習っていた時は、まだお金もなかったので主に親から引き継いだ着物を着ていた。引き継いだものを大切に着ることも良いのだけれど、一昨年初めて自分のサイズで仕立ててもらったら、そのフィット感に大感動!生地も自分の好みで作れるし、自分に合う色をじっくり選べるので、気持ちの上がり具合が違う。気がついたら色々揃えたくなってしまっていた。
そんなこんなで先日、とある着物店で行われた、博多織の帯の品評会に参加してきた。小さい頃、福岡にある母の実家によく行っていたこともあり、博多織はなんか親しみのある織物。今年の初めから一本欲しいなと思っていて、いくつかのお店を眺めて3本くらい候補を上げていた。
当日会場で、「品評会というのはなんかやっぱり買わずに買えるのが気まずくなるもんだなぁ…」と思いながら会が進んだわけだけど、出てくる帯どれもこれも好み過ぎ+なんだか着物も一緒に買わされそうな雰囲気が嫌で、ずるずると決めずに引っ張って帰るタイミングを探し探し…。
…しかし!気づいたら一本買ってしまっていた。あれ?いつの間に?
買うことにした理由は、気に入った帯がちょうど自分の持っている着物のどれにでも合いそうだったから。「どれにでも」は大袈裟でなく、マジでどれにでも。万能すぎる。本当は(時間をかけてでも)あと2本くらい買おうと思ってたんだけど、これ一本でコーディネートが格段に増えた。しかも、若い頃1番のお気に入りだったけど、今の自分の歳に合う帯がなくて諦めていた紬に合いそうだと気づいたから。
なので、万能の博多帯が手に入って満足なんだけど、少しだけ予算オーバーだったのと、ゆっくり比べないまま他の博多帯を諦めてよかったのか、少し引っ掛かっていた。
その日の夜、ちょっと不思議なことが。それは買った帯(まだ仕立て上がっていないので、写真)を眺めながら、品評会で聞いた話を思い出していたときのこと。
今回買った帯は「栴檀(せんだん)」という種類のデザインで、なんとそのモチーフは鎧。長い間作っている柄で、昔は嫁入り道具に「女性を守ってくれるように」、という願いを込めて持たされたのだとか。今回私が選んだのは若旦那さんが作ったとかで、色がものすごーくモダンな感じのグリーン。一目で気に入ってしまったのだれど、まぁ柄のエピソードは自分は若い女性でもないしなぁとは思っていた。
でも写真を眺めていた時にふと、「あーこれはおじいちゃんかも…」と。
おじいちゃんは福岡に住んでいて、亡くなってからもいつもこうやって大切な時に助けにきてくれる。最近色々考えこむことも多く、世の中のニュースが刃のように刺さってくるようにも感じられていたので、「自分を守る鎧」と「福岡のブランド」がつながった瞬間、なんかものすごく不思議な腑の落ち方をしてしまった。いや、別に単なる気のせいなんだろうけど、こういう時の腑の落ち方って言葉にできないのです。
帯の仕立て上がりが楽しみ。おじいちゃん、導いてくれてありがとう。
